山田孝之と綾瀬はるかが紡ぎ出した珠玉のラブストーリー!片山恭一の小説をドラマ化した名作「世界の中心で、愛をさけぶ」

片山恭一の人気小説を山田孝之と綾瀬はるかの共演でドラマ化したのが、2004年に放送された「世界の中心で、愛をさけぶ」だ。
高校2年生の松本朔太郎(山田)は、雨の中の葬儀で弔辞を読む同級生・廣瀬亜紀(綾瀬)に傘を差し出したことをきっかけに、彼女と親しくなる。たちまち亜紀に惹かれる朔太郎だが、幼なじみでクラスメイトのボウズこと中川顕良(柄本佑)も彼女を好きだと言う。複雑な想いを抱えながらも、亜紀の誕生日のためにウォークマンを手に入れようと、ラジオ番組にハガキを送る朔太郎。しかし、そこで読まれたハガキの内容が亜紀の怒りに触れ、2人の間には距離が出来てしまう...。
数日後の亜紀の誕生日、ラジオ局から届いたウォークマンに朔太郎は自身の想いを吹き込み、誕生日プレゼントとして渡す。互いに気持ちを伝えたことで、ついに心が通い合った2人だったが、その矢先、亜紀に病気が見つかる...。
■感動のラブストーリーの中で、山田孝之と綾瀬はるかのみずみずしい演技が光る

17歳の少年・朔太郎を演じたのは、当時20歳の山田。高校生らしい不器用さがありながら、それでも亜紀を一途に想う朔太郎をみずみずしく演じた。亜紀に恋に落ちていく時の表情や、幼なじみのボウズの気持ちを知った時の戸惑い、教室の中で亜紀を追いかける視線など、山田の一挙手一投足が、朔太郎の心情を繊細に映し出している。そして、時折、亜紀に向ける笑顔からは、朔太郎が亜紀に恋をしていることが滲み出るように伝わってくる。
やがて亜紀が白血病であることが判明し、朔太郎がラジオ番組に投稿した「クラスメイトが白血病になってしまった」と言う嘘の話は、皮肉にも現実となってしまう。病気で弱っていく亜紀を見て、彼女を失うかもしれないという恐怖に襲われながら、同時に"自分があんな嘘をつかなければ..."と、苦しむ朔太郎。そんな中でも亜紀のために何かしようと、高校生ながらに必死に考え、行動する朔太郎のひたむきさは、筆舌に尽くしがたいほど切なく、健気で、胸が痛くなる。

亜紀を演じた綾瀬は、当時まだ19歳。豊かな表情と溢れんばかりの透明感が、亜紀の魅力をさらに引き出している。第1話で、朔太郎にいたずらを仕掛ける時には、無邪気な笑顔がまばゆいほどに輝いていて、"朔太郎が亜紀を好きになることも納得"と思わせられるほど。一方で、亜紀の負けず嫌いな一面や正義感、芯の強さも要所でしっかりと伝わってくる。
そして、病気の進行によって体が弱っていく中でも、亜紀の中の強さは変わらないように思う。もちろん、病魔に侵されたことへの絶望や苦悩、死への恐怖と言った感情も痛いほどに伝わってくる。しかし、それでも懸命に生きる姿や、家族、そして朔太郎のことを想い続ける気持ちからは、本当の強さを感じる。そんな亜紀を体当たりで演じた綾瀬の演技が見事で、この頃からすでに、名俳優となる片りんをちらつかせている。
病気と闘う少女と、愛する人が病に侵された少年。それぞれに苦しみ、恐怖を抱えながらも、想い合い、支え合う。そんなひたむきな2人の姿には胸を打たれる。山田孝之と綾瀬はるかのみずみずしい演技にも注目しながら、この珠玉のラブストーリーを、ぜひその目で見届けてほしい。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
世界の中心で、愛をさけぶ
放送日時:2025年7月17日(木)18:00~[#1~#6]、7月18日(金)18:00~[#7~#11]
チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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