10代の広瀬すずが多感な女子高生を体現 池田エライザ、山本舞香らと"まぶしい青春模様"を繰り広げた映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』
近年、映画俳優としてますます存在感を増している広瀬すず。2025年にはドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系)で、父の死の真相を追う主人公・山下心麦を演じ、揺れ動く感情を丁寧に表現した。映画でも「ゆきてかへらぬ」では大正から昭和初期を生きた女優・長谷川泰子、「片思い世界」では杉咲花、清原果耶と共に共同生活を送る美咲、「遠い山なみの光」では過去の記憶を抱える悦子、「宝島」では戦後沖縄を生き抜くヤマコに扮し、作品ごとに異なる時代や痛みを背負う人物を演じている。そんな広瀬が、10代ならではのまぶしさと不器用な成長を鮮やかに刻み込んだ作品が、6月25日(木)に映画・チャンネルNECOで放送される映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」だ。
2011年に製作された韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」を原作に、「モテキ」(2011年製作)「バクマン。」(2015年製作)などを手がけた大根仁監督が日本版として映画化した本作。90年代のJ-POPやコギャル文化を背景に、高校時代を共に過ごした女性たちの再会と友情を描き出している。現在の主人公・奈美を篠原涼子、高校時代の奈美を広瀬が演じるほか、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、山本舞香、池田エライザ、富田望生らが出演している。
物語は、専業主婦として暮らす奈美が、高校時代の親友・芹香と再会するところから始まる。芹香は末期ガンを患っており、「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」と願っていた。その思いを受け止めた奈美は、かつての仲良しグループ"サニー"のメンバーを探し始める。現在と過去を行き来しながら、彼女たちがどんな時間を過ごし、何を失い、何を心の奥に残してきたのかが浮かび上がっていく。
©2018「SUNNY」製作委員会
広瀬が演じる女子高生時代の奈美は、地方から東京へ転校してきたばかりの少女。山本演じる芹香、池田演じる奈々、富田演じる梅たちが放つ勢いに最初は圧倒され、教室でも街でも少し所在なさげな表情を見せる。だが、そんな奈美が"サニー"の仲間たちと出会い、少しずつ自分の居場所を見つけていく姿が、本作の大きな見どころになっている。
例えば、転校初日から周囲になじめずにいた奈美が、芹香たちと関わる中で笑顔を増やしていく場面。最初は一歩引いた場所から様子をうかがっていた奈美が、彼女たちのまっすぐな明るさに触れ、少しずつ表情をほどいていく。笑う時の顔も、友人を見つめる目も、声の出し方も変わっていく。広瀬はその変化を大げさに見せるのではなく、ほんの少しの表情の揺れや間合いで伝えている。
特に、芹香との関係性は愛おしい。強気で自由で、どこか危うさもある芹香に対して、奈美は憧れを抱きながらも、ただ後ろをついていくだけではない。芹香の勢いに背中を押され、時には驚き、時には思い切り笑いながら、奈美自身も少しずつ変わっていく。性格も立場も違う2人が、出会ってすぐに心を通わせ、かけがえのない友人関係を築いていく。その距離の縮まり方には、青春映画ならではの高揚感がある。
©2018「SUNNY」製作委員会
また、"サニー"のメンバーがそろったときの空気も魅力的だ。派手なファッション、勢いのある会話、少し無茶な行動。彼女たちはとにかくにぎやかで、感情の出し方もまっすぐ。その中で奈美は、最初こそ受け身に見えるが、仲間と過ごす時間の中で確実に存在感を強めていく。芹香、奈々、梅たちの個性を受け止めながら、自分の色も少しずつ出していく広瀬の演技が、グループの空気をより生き生きと見せている。
90年代パートには、ルーズソックス、プリクラ、カラオケ、ヒット曲など、当時を象徴する要素が次々と登場する。だが、広瀬が演じる奈美を通して見ると、それらは単なる懐かしさの小道具にはならない。奈美にとって、その音楽やファッションは、昨日まで知らなかった世界へ踏み出すきっかけだ。仲間と一緒に街を歩き、笑い合い、少し無茶をしながら、自分の中に眠っていた明るさや強さを見つけていく。その瞬間のワクワク感を、広瀬はまっすぐな表情で体現している。
篠原が演じる現在の奈美とのつながりも見逃せない。大人になった奈美は、日々の暮らしの中で、かつての自分から少し遠ざかっている。だが、若き日の奈美があれほど全力で友人たちと向き合い、笑い、泣き、心を動かしていたからこそ、現在の奈美がもう一度"強い気持ち"を取り戻していく姿に説得力が生まれる。広瀬が演じる青春時代は、単なる回想ではなく、大人になった奈美の中に残り続けている大切な記憶そのものなのだ。
旬のキャストたちの共演で、にぎやかでエモーショナルな青春の時間を築き上げている「SUNNY 強い気持ち・強い愛」。その中で広瀬は、転校生の戸惑い、仲間に出会った喜び、友人と心を通わせる高揚感、二度と戻らない時間のまぶしさを、生き生きと演じている。重厚な役柄を次々と担う現在の広瀬を知っているからこそ、本作で見せた10代の輝きはより鮮やかに映るはずだ。奈美として"サニー"の輪に飛び込み、物語に爽やかな青春のエッセンスを加えている広瀬に、自然と目を奪われることだろう。
文=川崎龍也
放送情報【スカパー!】
「SUNNY 強い気持ち・強い愛」
放送日時:2026年6月25日(木) 21:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
©2018「SUNNY」製作委員会
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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