武井咲のコメディエンヌぶりとTAKAHIROの自然体の芝居が光る「戦力外捜査官SPECIAL」マカオを舞台に弾ける凸凹コンビの軽妙な掛け合い
2014年に放送された連続ドラマ「戦力外捜査官」から1年後の物語として制作された「戦力外捜査官SPECIAL」。2014年に日本テレビ系で放送された「戦力外捜査官」は、刑事ドラマでありながら、事件の重さよりも登場人物たちの明るい掛け合いが印象に残る作品だった。「戦力外捜査官SPECIAL」では、千波と設楽がマカオから強盗傷害犯・杉本を護送していたところ、日本の空港に到着した直後に杉本が何者かに狙撃され、死亡してしまう。海外からの護送を終えてひと息つく間もなく事件に巻き込まれる導入から千波は、杉本の身辺を追う中で「父親が誘拐された」と訴える小学生・裕太と出会い、千波と設楽の慌ただしい捜査が始まっていく。
「るろうに剣心」や「黒革の手帖」で芯の強い女性像を見せてきた武井咲と、EXILEのボーカリストとして長く第一線に立ち、「HiGH&LOW」シリーズなどでも俳優として存在感を示してきたTAKAHIRO。そんな二人が初共演した作品であり、その後、夫婦として歩むことになる二人にとっても特別な一作だ。千波と設楽の軽やかな掛け合い、お互いのテンポを受け止めるような空気は、本作ならではの見どころになっている。

まず目を引くのは、千波のキャラクターだ。千波は東大卒のキャリアで、推理力も抜群。だが、現場経験は浅く、思い立ったら周囲の状況を顧みずに突き進んでしまう。優秀なのにどこか危なっかしく、そのアンバランスさが彼女の面白さになっている。とはいえ、千波はただ周囲を振り回すだけの人物ではないのもいい。事件の真相を知りたい、被害者の無念を晴らしたいという思いは誰よりも強い。だからこそ、突拍子もない言動にも嫌味がなく、むしろ応援したくなる。武井はそのまっすぐさを大切にしながら、千波の少しズレた魅力を軽やかに演じている。
武井といえば、「るろうに剣心」シリーズの神谷薫や「黒革の手帖」の原口元子など、芯の強い女性を演じてきた印象が強い。そんな彼女が「戦力外捜査官SPECIAL」では、推理オタクで少し空回りしがちな刑事を楽しそうに演じている。そのギャップこそ、本作で味わえる武井咲の大きな魅力だ。

一方の設楽は、千波とは対照的な現場型の刑事だ。体を張って事件に向かう頼もしさがあり、いざという時にはしっかり前に出る。だが、千波の突拍子もない言動には振り回されっぱなしで、思わずツッコミを入れる場面も少なくない。格好よさだけで押し切るのではなく、人のよさや少し抜けたところも見せてくれる。その親しみやすさが、設楽というキャラクターの魅力になっている。
EXILEのボーカリストとしてステージに立つTAKAHIROには、華やかで堂々としたイメージがある。俳優としても、「ワイルド・ヒーローズ」では仲間思いの青年を演じ、「HiGH&LOW」シリーズでは雨宮雅貴役としてアクションと兄弟愛を背負った。強さの中に優しさをにじませる役柄は、TAKAHIROの持ち味と相性がいい。
「戦力外捜査官SPECIAL」の設楽にも、その魅力はよく表れている。たとえば、マカオで危ない男たちに追われた千波が、設楽と合流してほっとする場面。設楽は千波に声をかけてきた男たちに応戦し、クールに挑発しながら相手を倒していく。頼れる刑事としての格好よさが際立つ一方で、その直後にはスーツが破けてしまい、千波に見られてしまうというコミカルな展開が待っている。強くて頼れるのに、どこか決まりきらない。そんなギャップこそ、設楽というキャラクターの面白さだ。TAKAHIROはその役どころを、力みすぎず自然体で演じている。ステージ上の華やかな姿とはまた違う、肩の力が抜けた表情が見られるのも本作の楽しさでもある。
武井の軽やかなコメディ演技、TAKAHIROの自然体の芝居、そして二人が生み出す愛すべき凸凹コンビの空気。「戦力外捜査官SPECIAL」は、刑事ドラマとしての謎解きだけでなく、俳優同士の掛け合いを楽しめる作品だ。千波と設楽がマカオで繰り広げる明るくにぎやかな捜査劇に触れる機会になる。マカオを舞台にした事件を追いながら、千波と設楽の明るくテンポのいいやり取りにも注目してほしい。
文=川崎龍也
放送情報【スカパー!】
「戦力外捜査官SPECIAL」
放送日時:2026年7月25日(土)21:30~
チャンネル:ファミリー劇場(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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