吉高由里子 ドラマ「最愛」で見せた静かな熱量と大人の色香...止まらない女優としての進化
2021年10月から12月にかけてTBS金曜ドラマ枠で放送された「最愛」は、連続殺人事件の重要参考人となった実業家の女性、彼女を追う男性刑事、そして、彼女を守ろうとする男性弁護士......三者三様の思惑と愛憎が、15年という年月をまたいで絡み合うサスペンスラブストーリーだ。
©TBSスパークル/TBS
主演の吉高由里子は、映画「蛇にピアス」(2008年)で第32回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞して一躍注目を集め、2014年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」でヒロインを演じ、国民的な知名度を得た。
その後も主演作を重ねながら辿り着いた本作は、彼女の女優としての進化を見せつける作品となった。実際、その演技は高く評価され、第110回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞を受賞した。
さらに、大河ドラマ「光る君へ」の紫式部(まひろ)役で主演を務め、平安時代の女性の生き様を繊細に演じきった。その後も、映画「風よ あらしよ 劇場版」(2024年)や映画「黒牢城」(2026年6月)など、時代やジャンルを超越した変幻自在の演技力と確かな存在感で、一人の表現者として、いっそうの円熟味を見せている。
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そんな吉高が本作で演じるのは、真田ウェルネスの代表取締役社長・真田梨央。「世界を変える100人の30代」として世間の注目を集める成功者でありながら、難病の弟・朝宮優(高橋文哉)のために新薬を開発するという目標を胸に秘めている。
しかし、梨央の運命は過去の因縁によって一変する。かつて暮らしていた岐阜・白川郷での失踪事件と、現在の連続殺人が交差。その双方に関わる重要参考人として、疑いの目を向けられることになってしまう。その渦中で、かつて互いに思いを寄せ合った刑事・宮崎大輝(松下洸平)と15年ぶりに対峙する。弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)に守られる一方で、過去の悲劇と現在の疑惑の狭間で、誰にも明かせない秘密を抱えながらも、気高く孤独に耐え忍ぶ役どころだ。
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そんな翳りのある梨央を体現した彼女の芝居は、多くの視聴者から反響を呼んだ。「何かを隠しているが、自分でも真実を掴めていない」という複雑な心理を、台詞ではなく目線の動きや表情の揺らぎによって体現してみせた演技力は、高く評価されるべきポイントだ。
中でも印象的なのは、吉高由里子の定まらない視線が醸し出す緊張感と大人の色香だ。感情を爆発させるのではなく、内側へと抑え込むような静かな演技が、梨央の中にある孤独と芯の強さをよりいっそう際立たせた。
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一方で、弟の優や加瀬のような親しい人たちと向き合う場面では、彼女本来の気さくで温かな素顔がふわりと顔をのぞかせる。「別人になりきるのではなく、役柄を自分に引き寄せる」という彼女のアプローチこそが、梨央というキャラクターに血の通った命を吹き込み、視聴者から大きな共感を集めた最大の理由にほかならない。
テクニカルに感情を操作するのではなく、役の核心をつかむまで必死にもがく吉高のひたむきさが、作品にリアリティをもたらすのだ。
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そして、本作を語るうえで外せないのが、吉高と松下の圧倒的な演技の噛み合いだ。梨央の初恋の相手でありながら、事件の真相を追う刑事・大輝を演じた松下は、濁りのないひたむきな愛情を、吉高演じる梨央へと注ぎ続けた。吉高自身も「松下さんは自然な温もりがある人で、一緒にお芝居していて本当に面白かったです。現場では構えることなく、心をオープンにして新鮮な反応をしてくれる」(第110回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 受賞インタビューより)と話している。
追う者と追われる者でありながら、誰よりも互いを最も理解し合う元恋人同士。その相反する関係性が生み出す張り詰めた空気感は、2人の役者が役に誠実に向き合うことで初めて成立するものだ。後に吉高と松下は、大河ドラマ「光る君へ」(2024年)で再共演を果たし、「やっぱり絵になる2人」と称された。
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「役柄を自分に引き寄せる」というスタイルで積み上げてきた彼女のキャリアは、これからどんな人物を生み出していくのか。その答えは、今後届く作品の中にあるだろう。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
最愛
放送日時:2026年8月2日(日)11:25~
チャンネル:ファミリー劇場(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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