高橋一生が"鬼の副長"で見せる静かな威圧感...伝説の土方歳三役者・栗塚旭もカメオ出演「時代劇法廷 被告人は土方歳三」
この度、時代劇専門チャンネルでは「~一周忌によせて~ありがとう!栗塚旭さん」と題し、2025年9月にこの世を去った名優・栗塚旭に敬意を表する特別企画をお届けする。主人公・土方歳三役を演じた栗塚の代表作ともいえるドラマ「新選組血風録」(1965年)をはじめ、栗塚がDJ土方歳三として登場するオリジナル番組「時代劇体操/GO!GO!侍ニッポン~私も輝きます~」(2012年)や、栗塚の出演番組の総集編「追悼・栗塚旭 ~誠の心を演じきった男~」が放送される。
その中で今回ピックアップするのは、土方歳三役を俳優・高橋一生が演じ、栗塚も本人役で登場したドラマ「時代劇法廷 被告人は土方歳三」だ。
時代劇専門チャンネルのオリジナル番組として制作された「時代劇法廷」は、歴史上の人物を現代の裁判で裁くという斬新なコンセプトの知的エンターテインメント番組だ。その全10作品(本編9作品+2015年放送のスペシャル)の中から、今回は幕末の動乱期を駆け抜けた新選組の副長・土方歳三が「騒乱罪」で起訴されたエピソードを、9月10日(木)に特別放送する。
本作で土方歳三に扮するのは、高い演技力と独特の存在感でさまざまなキャラクターを演じてきた高橋一生だ。2015年放送のドラマ「民王」で総理大臣の秘書・貝原茂平役を演じて一躍脚光を浴びると、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(2017年)での小野但馬守政次役や、人気ドラマシリーズ「岸辺露伴は動かない」(2020年~)の主人公・岸辺露伴役など、個性的なキャラクターを次々と演じてきた。
高橋の持ち味は、静けさの中に秘められた激情や微細な表情の変化でキャラクターの複雑な内面を物語る表現力にある。それを本作の土方歳三役で存分に堪能できる。
土方は新選組の「鬼の副長」でありながら、単なる粗暴な武闘派としてではなく、自らの正義と信念を貫く人物として描かれている。そのため、法廷という閉鎖された空間の中でも、土方が放つ静かな威圧感は計り知れない。
検察官から新選組の粛清行為について厳しく追及されても、土方は簡単には動じない。伏し目がちに証拠の書面に視線を落とした後、ゆっくり顔を上げて相手を見据える。その鋭い視線や、トーンを抑えながら言葉を返す際の絶妙な間によって、過度な感情表現に頼らずとも絶対的な信念を表現し、見る者をゾクッとさせる。これぞ高橋の繊細な演技力が際立つ瞬間と言えるだろう。
本シリーズの面白さは、そんな被告人を追及する検察官との対比にもある。渡辺いっけい演じる時代劇検察官が、現代の法律を武器に歴史上の偉人たちを罪に問う、息詰まる弁論合戦も見どころの1つだ。検察官が身振り手振りを交えながら鋭く追及する「動」の攻勢を見せれば、土方は冷徹な論理で真っ向から応戦。歴史上の人物を現代の法廷で裁くという設定ならではのユーモアもあり、シリアスになりすぎない軽妙な掛け合いも楽しめる。
また、検察官から激しい言葉を浴びせられたとき、土方の口角がほんのわずかに上がる瞬間がある。しかし、ふっとこぼした冷たい笑みは、怒りでも焦りでもなく、武士の矜持を理解できない現代の価値観に対する「呆れと憐れみ」が混ざったような絶妙な表情にも映る。こうした微細な変化を積み重ねることで、高橋は土方という人物の内面を画面に刻み込んでいく。
2012年に放送された本作は、高橋が「民王」で注目を集める前に世に出た作品だ。感情を抑えながらも見る者を魅了する彼の存在感は、後年につながる表現力の片鱗を感じさせる。そして、先述の通り栗塚が本人役でカメオ出演し、土方歳三について語るシーンも見どころの1つである。若き高橋一生が演じる土方歳三と、栗塚旭が残した誠の心を今回の特別放送で見届けてほしい。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
時代劇法廷 被告人は土方歳三
放送日時:2026年9月10日(木) 21:00~ ほか
チャンネル:時代劇専門チャンネル(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:渡辺いっけい 高橋一生 中野英樹 林和義 津村英哲 井沢元彦 栗塚旭
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