鈴木亮平の"光と闇"の芝居、ミステリアスな戸田恵梨香、涙を誘う松山ケンイチの抱擁...名優に酔いしれるドラマ「リブート」
鈴木亮平は刺激的だ。彼の出演作を見ていると、未知の感情と高揚感に包まれて、あっという間に物語に没入してしまう。一度惹き込まれればもう止まらない。ラスト1秒までその生き様を見届けたくなるのだ。
そんな鈴木が、主演ドラマ「リブート」で挑戦したのは、善悪を行き来する一人二役である。鈴木は、ハヤセ洋菓子店を営む穏やかでお人好しなパティシエ・早瀬陸と、裏社会組織とも繋がっている悪徳刑事・儀堂歩を演じる。
妻の夏海(山口紗弥加)が失踪した2年半後、早瀬は、突然妻殺しの容疑をかけられる。彼は妻を殺害した犯人を見つけるため、身の潔白を証明するため、愛する家族を捨て、儀堂の顔に変わる"リブート(再起動)"を決意する。
もちろん、ドラマや映画において一人二役という設定自体は珍しくない。ただ、鈴木亮平が演じるとなれば話は別だ。本作では、技巧のみならず、それぞれのキャラクターに、まったく異なる人間の「魂」までも宿らせた。光と闇の境界線を行き来する彼の芝居を目撃したとき、私たちはまたも「鈴木亮平という深海」にもぐってしまうのだ。
早瀬と大きな関わりを持つことになるのが、公認会計士の幸後一香。早瀬に手を貸し、顔を変える段取りも担う彼女だが、敵か味方かは分からない。一香はつかみそうでつかめない"何か"を抱えており、その"何か"が物語の大きな鍵を握ることになる。
そんな一香を演じるのは、戸田恵梨香だ。戸田は一香をどこかミステリアスに演じているが、秘密が明かされた際に見せる人間味で一気に距離が縮まる。では、彼女は一体どんな人間なのか。胸の奥にどんな想いを秘めているのか。そこに宿るのは"正義"なのか、それとも"悪"なのか――。観る者に「もっと知りたい」と思わせる深みのあるキャラクター像を、戸田が圧倒的なグラデーションで表現している。
リブート前の早瀬を演じているのは、現在放送中のドラマ「Tシャツが乾くまで」でも話題の松山ケンイチ。柔和で家族とスイーツをこよなく愛する早瀬は、いつも温かな光をまとった明るい人物だ。だからこそ、家族と別れの挨拶をする第1話のシーンは、涙なしに観られない。
息子の拓海(矢崎滉)に犯人を捕まえる決意を語り、溢れ出る悲しみを必死に抑えながらも、全身全霊の愛を込めて抱きしめる松山の演技は、あまりにも切ない。彼の見せた凄まじい哀愁と覚悟があるからこそ、その後の過酷な運命が一層ドラマチックに際立つのだ。
物語が二転三転する「リブート」。予測不能なサスペンスの面白さはもちろん、実力派たちが魅せる圧巻の芝居は、一瞬の隙すら与えない圧倒的な没入感を生み出している。まさに息をのむ大傑作だ。
文=浜瀬将樹
放送情報【スカパー!】
リブート
放送日時:2026年9月13日(日)10:00~【全話一挙放送】
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
※CS初放送
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