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2022/09/14

千葉真一と西城秀樹。今は亡き2大スターが共演した痛快時代劇「徳川無頼帳」

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世界的アクション俳優・千葉真一とスター街道を走り続けた西城秀樹の華麗なる共演で、アクション満載の傑作時代劇「徳川無頼帳」。テレビ東京系で1992年に放送され、好評を博した。西城秀樹が柳生十兵衛に扮し、千葉真一は権力からつまはじきにされ、江戸唯一の治外法権の場所である吉原に隠れ住む主人公・松平忠輝を演じている。

ただ、柳生十兵衛と言えば、言わずと知れた千葉の当たり役。1978年に公開された東映映画「柳生一族の陰謀」で十兵衛を演じ、強烈な印象を残した。同作は下火になりつつあった時代劇の復興を目指し、東映が並々ならぬ気合で作り上げた傑作映画として歴史に刻まれている。その功績はなんと言っても千葉真一演じる柳生十兵衛のインパクトだったと言っていい。千葉は同年秋から放送された同作のテレビドラマ版(フジテレビ系)や80年代の「柳生あばれ旅」シリーズ(テレビ朝日系)などにおいても十兵衛役を演じている。

そんな背景から、当時は"柳生十兵衛=千葉真一"というイメージがすっかり定着していたのだが、「徳川無頼帳」の制作にあたって、千葉は「十兵衛はヒデキに譲った」と宣言。自身は真っ白な着物と袴に黄色いマフラーという印象的な出で立ちで松平忠輝を演じている。

当時、千葉真一が経営するJAC(ジャパンアクションクラブ)は、日光江戸村を運営する大新東の傘下となっていたが、本作はその新体制となったJACによる初めての作品。企画協力には「柳生一族の陰謀」でメガホンをとった深作欣二監督の名前もクレジットされている。

本作でも注目は、千葉率いるJACの面々の華麗な忍者アクションと見ごたえ十分の殺陣。さらに、十兵衛役という大任を見事に演じきった西城秀樹の好演にほかならない。西城扮する柳生十兵衛の決め台詞「てめーら、雁首そろえて地獄へ行け!」がなんとも痛快だ。180cm超えの長身と持ち前の運動能力を生かし、殺陣でも大いに存在感を発揮している。

ストーリーを紹介すると、時は徳川三代将軍・家光(志垣太郎)の時代。花の吉原総名主・京屋庄左衛門(ハナ肇)が営む廓「花房楼」に二人の用心棒が住みついていた。一人は父に反発して出奔した剣豪・柳生十兵衛(西城秀樹)。この男は将軍家指南役・柳生宗矩の長男。もう一人は家光の叔父・松平忠輝(千葉真一)の世を忍ぶ仮の姿。両親にうとまれて家出し、吉原の地に隠れ住んでいたのだ。二人は吉原の用心棒を務めながら、幕府の恐ろしい陰謀に立ち向かっていく。

共演者として、レオナルド熊、石橋正次、中山昭二、高橋久美子といった個性的な面々が名を連ねている。各回のゲストにも、後に政治家に転身する横光克彦、初代ウルトラマンでハヤタ隊員を演じた黒部進、さらに関根勤、沖田浩之、ひかる一平、石野真子、太川陽介といった昭和のスターたちが登場して楽しませてくれる。

世界的アクションスター「サニー・チバ」としてハリウッドにもその名が轟いていた千葉真一と、昭和の歌謡界をけん引し、スター街道をひた走っていた西城秀樹が共演した、アクション満載の時代劇「徳川無頼帳」が、時代劇専門チャンネルで9/27(火)8:00よりで再び放送される。時代劇でしか味わえない魅力にあふれた良作であり、千葉と西城という今は亡き2大スターの貴重な共演作としても、この機会にぜひ見ておきたい作品だ。

文=渡辺敏樹

放送情報

徳川無頼帳
放送日時:2022年9月27日(火)8:00~
チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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