沢田研二が20代で漂わせた危うい色香!実際の事件をモチーフに3億円強奪犯の孤独と破滅を描いた「悪魔のようなあいつ」
近年、「キネマの神様」(2021年公開)や「土を喰らう十二ヵ月」(2022年公開)でも温かみのある好演を見せた俳優・沢田研二。ミュージシャンとして、そして俳優として長年第一線を走り続けてきた沢田のキャリアは1960年代後半からスタート。
グループ・サウンズ全盛期に「ザ・タイガース」として活動を始めると、まさに社会現象と呼ばれるほどの人気を誇り、たちまち一世を風靡。同グループの解散を経て1971年からはソロでの活動を開始し、数々のヒット曲を世に放った。"ジュリー"の愛称で親しまれ、沢田はスーパースターの名をほしいままにしていた。
そんな人気絶頂の沢田が1975年に主演を務めたのが、6月25日(木)より2ヶ月連続で日本映画専門チャンネルにて放送されるドラマ「悪魔のようなあいつ」だ。
元刑事・野々村(藤竜也)が経営する高級クラブで歌手として働く良(沢田)は、とある日を心待ちにして、日数を数えながら毎日を過ごしている。それは、今なお犯人が捕まっていない謎多き未解決事件「三億円強奪事件」の時効の日。実は良こそが同事件の犯人なのだ。裏稼業にも手を出しながら、間もなく来る時効の日まで逃げ切ることを考えていた良だったが、そんな折、脳に病気が見つかり、自身の余命がいくばくもないことを知る。さらには良を真犯人とにらむ白戸警部(若山富三郎)の執拗な捜査で、次第に追い詰められていく...。
■犯人の孤独や破滅を表現...愁いを帯びた沢田研二の演技に釘付け
作詞家・阿久悠の原作漫画を映画監督の長谷川和彦が脚色して映像化した同作は、1968年に起き1975年に未解決のまま時効を迎えた実際の事件をモチーフにしたもの。
当時20代の沢田が演じる良からは、溢れんばかりの色香が漂う。ストーリー早々に犯人が良だと明かされるのだが、だからこそ犯人の視点からの孤独や葛藤が繊細に描かれているのが同作の見どころだ。女性が寄り付いてきてもどこか曇った表情を浮かべる良は、金目当ての輩に付き纏われたり、執念深い刑事の捜査で徐々に追い詰められたりと決して楽ではない状況に置かれているのだが、どこか陰のあるその佇まいからは、退廃的な美しさすら感じられる。良の寂しさや恐れを緻密に表現する沢田の表情には、胸が締め付けられるものがある。

ストーリーが進むにつれて徐々に彼の生い立ちや家族の話も明かされていき、良がただ私欲のために罪を犯したわけではなく、彼の中の歪みが彼に罪を犯させたことも描かれていく。そして、病が進行するにつれて良は自身の死期を意識し、心までをも蝕まれてしまうのだ。さまざまな要因で青年の心がすり減り、破滅していくさまが、痛いほどにリアルに映し出される。
1975年の作品だけあって、少し過激な描写も交えながら、3億円を奪った青年が時効を迎えるまでの日々と心境を緻密につづる本作。劇中では高級クラブの歌手という役どころもあって、沢田は歌声も披露している。良の危うい魅力を体現した、若かりし頃の沢田の演技に注目だ。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
悪魔のようなあいつ(全17話)
放送日時:2026年6月25日(木)20:00~(#1-5)
※6月26日(金)に#6-10、7月1日(水)に#11-17放送
※7月6日(月)からは毎週(月)~(金) 4:00~に1話ずつ放送
チャンネル:日本映画専門チャンネル(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:沢田研二 若山富三郎 藤竜也 荒木一郎 安田道代 尾崎紀世彦 篠ひろ子 伊東四朗樹木希林 細川俊之 岸部一徳
こちら