松浦亜弥の眼光の鋭さが見どころ!アイドル時とは異なる女優としての魅力

昨年、2013年の無期限活動休止以来、約9年ぶりに活動を再開した松浦亜弥。11年半ぶりとなるCM出演や13年半ぶりとなるシングル(配信シングル)をリリースし、大きな話題をさらった。松浦といえば"あやや"の愛称で多くのファンに愛されたトップアイドルだが、ドラマや映画、舞台などにも出演し、女優としての顔も持っている。そんな"女優・松浦亜弥"の魅力が堪能できる作品が映画「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」(2006年)だ。
同作品は、和田慎二による人気コミックを実写化した「スケバン刑事」シリーズの3回目となる劇場版で、かつて"麻宮サキ"として活動した女性の娘が期間限定ながら"4代目麻宮サキ"となり、悪と戦う姿を描くヒロインアクション。主演の松浦は主人公の麻宮サキを演じる。

(C)2006「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」製作委員会
不穏な噂が絶えない聖泉学園に潜入していた特命刑事(大谷雅恵)が東京・渋谷の雑踏で爆死する。学園内に広まる謎のアングラサイト「エノラゲイ」を捜査中の出来事だった。一方、母(斉藤由貴)と2人で暮らしていたニューヨークから日本へ強制送還された少女K(松浦亜弥)が警視庁の特務機関へとやって来る。彼女はそこで、逮捕された母の刑期と引き換えに"スケバン刑事・麻宮サキ"となることを要求される。
同作で松浦は、明るくポップで可愛らしいアイドルの顔とは真逆ともいえる一面を披露。乱暴で粗野で荒々しい"スケバン"という役柄を見事に表現している。普段のキャラクターがかわいければかわいいほど、観る者のイメージから離れてしまうため真逆のキャラクターを演じるのはかなりハードルが高いのだが、松浦はその高いハードルと悠々と飛び越えて迫力のある"スケバン"を熱演。

(C)2006「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」製作委員会
尊大な態度やキツい口調など、観る者が"あやや"であることを忘れてしまうほどに自然に演じ切っているのだが、特に注目すべきはその眼光だ。目に宿る光が強いだけでなく鋭い。この鋭さこそが、社会に対する不信感を抱いた少し斜に構えたような"スケバン"感の柱となっており、演技の全てのクオリティを引き上げる効果を生み出している。
さらに、クラスメイトに向ける目、自分にスケバン刑事になるよう要求してきた吉良(竹内力)に対する目、倒すべき悪と対峙した時の目など、シチュエーションごとに変わる眼光の鋭さの度合いにもバリエーションがあり、その時その時の感情を雄弁に語っている。

(C)2006「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」製作委員会
「トップアイドルのセーラー服姿や激しいアクション」といった表層的な見どころを凌駕する、"スケバン"に成り切った演技力とそれを支える眼光の鋭さに注目しながら、"女優・松浦亜弥"の魅力に溺れてほしい。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ
放送日時:2023年2月7日(火)20:00~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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