櫻坂46・藤吉夏鈴が演技の仕事を経て感じたこと「ギャップに驚きましたし、好奇心をすごく刺激されました」

櫻坂46・藤吉夏鈴が、連続ドラマW-30「アオハライド　Season2」に出演する。同ドラマは、咲坂伊緒による人気同名コミックをドラマ化したもので、2014年には実写映画化、テレビアニメ化もされた青春ラブストーリーの決定版。咲坂作品としては初となる今回のドラマ化では、原作の魅力を余すところなく実写化するため、Season1とSeason2の2部作で放送・配信する。

Season1では、吉岡双葉(出口夏希)が高校１年生の終わりに、中学時代に突然姿を消した初恋の人・田中洸(櫻井海音)と運命の再会を果たす。3年ぶりに会った洸は苗字が「田中」から「馬渕」に変わり、優しかったはずの性格も別人のように冷たくなっていた。洸の知らなかった長崎での3年間が明らかになるにつれ、双葉は次第に洸に憧れを募らせていく。一方、洸も双葉に心が向き始める。Season2では、距離が縮まり両想いとなった二人だったが、双葉が洸に想いを伝えようと決心したのも束の間、2人の前に突然、洸の長崎時代の同級生・成海唯(藤吉)が現れる。

今回、Season2のキーマンともいうべき重要なキャラクターである成海を演じる藤吉にインタビューを行い、出演を聞いた時の感想や役作り、演技の仕事への思いなどについて語ってもらった。

――出演を聞いた時の感想は？

「本格的なドラマ出演は初めてだったので、不安な気持ちもありつつ、新しいことに挑戦できるわくわくもありつつという感じでした。でも、『アイドルグループの子だから、こんなものか』みたいには思われたくないなという思いは強かったです」

――成海を演じる上で意識したことは？

「Season1から見ている方はやっぱり双葉ちゃんと洸ちゃんに感情移入していると思うんです。でもそんな中で『どうやったら成海唯というキャラクターを愛していただけるのだろう』と思った時に、『"ただ2人の仲を邪魔していく意地悪な子"というふうには映りたくないな』と思ったので、唯ちゃんには唯ちゃんの悲しみがあって、洸ちゃんに頼るしかなかったという部分を強く見せられるように工夫しました」

――演じた感想は？

「自分と似た部分があまりなく、私には自分の中にない感情を表現する技術がまだ足りないので、とにかく原作を読み込んで一生懸命唯ちゃんに共感していくしかないと思ったので、ひたすら原作を読んでいました」

――長崎弁はいかがでしたか？

「実は母が長崎出身で、私も昔ちょっとだけ長崎に住んでいたことがあって『○○ばい』とか言っていたので、『ちょっと覚えているかな』と思っていたんですが、台本を開いてみたら全然しゃべれなくて...(笑)。だから、台本にイントネーションの上げ下げを書き込んで、ひたすら音で覚えて...という感じでめちゃめちゃ苦労しました」

――演技のお仕事が増えている中で、ご自身の成長や変化を感じられたりしますか？

「グループ活動でライブとか生写真を撮っている時とかに、今まで一緒にいたマネージャーさんに『表情が全く違う』って言っていただけて、嬉しくもあり、元の自分が消えちゃった気がして寂しくもあり...。でも、そういうふうに言っていただけるのはすごく嬉しいです」

――演技のお仕事については？

「技術面に関してまだ私は全く持っていないので、この作品の撮影の時もすごく難しさを感じたんですけど、その分好奇心も刺激されたのですごく楽しく現場に居られました。これからもお芝居もどんどんチャレンジしていきたいと思っていて、来年はお芝居をたくさん経験できる年にしていきたいです。私はバラエティ(番組で活躍する)とかは苦手なので、私は私のできることでグループのことをもっと知っていただけるきっかけになれればと思っています」

――アイドルでの活動と女優との活動で違いを感じることはありますか？

「グループ活動でライブやMVで表現するのとお芝居で表現するのって、それぞれ違うけど似ているんじゃないかって思っていたんです。でも、この作品に関わらせていただいて、ライブやMVでは自分の感情を大きくして表現していたのに対し、お芝居では全く知らない感情を表現する場面がたくさんあって『どうやって知らない感情を表現したらいいんだろう？』と思って、全く別物で...。そのギャップに驚きましたし、好奇心をすごく刺激されて、今はもっとやってみたいと思うようになりました」

――ご自身は成海と似たところはあまりないとのことですが、櫻坂46の中で成海のようなキャラクターのメンバーは？

「うーん...。"目的のためになりふり構わず"みたいな子はあまりいないんですけど、誰とでも仲良くなれるという点では山崎天(※崎は立つ崎)かな。似てるのは、元気な部分だけですけど(笑)」

――では、洸が成海のことを放っておけないように、藤吉さんが"放っておけない"メンバーは？

「森田ひかると山下瞳月ちゃんですね。森田は、私と少し似ているなって思う部分があるので、そういうところで放っておけないなって思います。山下ちゃんは、かわいくてキャラクターみたいで、小っちゃい子供を見ている感覚で放っておけないです」

――最後にドラマのご覧になるファンの皆さん、視聴者の方々にメッセージをお願いします。

「成海唯ちゃんに共感してくださる方がいればすごく嬉しいですし、唯ちゃんが愛されるキャラクターになれば本当に嬉しいです。シーズン2からは(曽田陵介演じる)冬馬や唯ちゃんが2人の恋をより加速させていくキャラクターになっていくと思いますので、そこも楽しんでいただければと思います！」

文＝原田健　撮影＝中川容邦