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2024/02/08

松村北斗(SixTONES)と演じた夫婦愛も胸に迫る...上白石萌音、深津絵里、川栄李奈が体現した「カムカムエヴリバディ」の三者三様のヒロイン像

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「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」(チャンネル銀河)
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」(チャンネル銀河)

2月15日(木)に開幕する第74回ベルリン国際映画祭フォーラム部門への正式出品が決まるなど、大きな話題を集めている映画「夜明けのすべて」(2月9日(金)公開)。それぞれに"生きづらさ"を抱えた男女の特別な関係性を描いた同作で、W主演を務めているのが上白石萌音と松村北斗(SixTONES)だ。

恋人や友達でもない男女が、互いを支え合うように寄り添って生きる姿をナチュラルに体現した2人。その自然体な空気感は、映画の前に夫婦役で初共演した連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(2021年)で培った信頼関係によるところも大きいのではなないだろうか。

上白石萌音、深津絵里、川栄李奈がリレーで繋いだファミリーヒストリー「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
上白石萌音、深津絵里、川栄李奈がリレーで繋いだファミリーヒストリー「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

NHKの"朝ドラ"こと「連続テレビ小説」第105作として2021年11月~2022年4月にかけて放送された本作。朝ドラ史上初めて3世代のヒロインがバトンを繋ぎ、100年にも及ぶ壮大なファミリーストーリーが紡がれるという、過去に例を見ない取り組みが評判となった。

"ラジオ英語講座"と共に歩んだ祖母・母・娘の人生を、上白石萌音、深津絵里、川栄李奈がそれぞれ演じており、激動の昭和から平成、そして令和までの物語を描き出していく。

まず、初代ヒロインとして登場するのが、1925(大正14)年、日本でラジオ放送が始まった日に岡山市内の和菓子屋で生まれ、"あんこ"の甘い香りに包まれて育った安子。上白石が、天真爛漫な少女の表情から戦時中を生き抜く強い母親像までを体当たりで演じ、苦難が続く人生を自らの手で切り開く安子の逞しさを表現した。

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

そんな安子の運命を大きく変えるのが、松村北斗が演じる、地元の名家・雉真家の跡取り息子・稔との出会いだ。家業の繊維業を海外展開しようと志す大学生の稔は英語が堪能で、ラジオ英語講座をきっかけに英語を学び始めた安子と急接近。度重なる困難にも負けず、遂に2人は結ばれるが、戦争の足音は次第に大きくなっていく...。

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

穏やかな雰囲気を醸し出す安子と稔の、互いを思いやる夫婦像は好感度抜群。娘・るいを授かるも、戦争によって引き裂かれてしまう2人の姿は当時SNS上でも大反響を呼んだ。お似合いの2人だったからこそ、戦争がもたらす過酷な現実に心を揺さぶられた人も多かったことだろう。

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

"ジャズ"が題材となる2代目ヒロイン・るい(深津絵里)の物語は昭和30年代の大阪が舞台。稔と安子の娘として雉真家に生まれた彼女は、とある誤解によって郷里の岡山を飛び出し、単身大阪へ。住み込みで働くことになったクリーニング店に、客として訪れたトランぺッター・錠一郎(オダギリジョー)との出会いを契機に、母・安子との"確執"に向き合うことになる。

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

上白石同様、朝ドラ初出演となった深津は、放送開始当時48歳。"朝ドラ史上最高齢ヒロイン(主人公の晩年を別の女優が演じた『おしん』『すずらん』『カーネーション』を除く)"として話題となったが、"18歳のるい"としての初登場シーンは、変わらぬ可憐さと透明感で視聴者を魅了。ジャズ喫茶「ナイト・アンド・デイ」に集うトミー北沢(早乙女太一)やベリー(市川実日子)を取り巻く人間模様も楽しく、風変わりな錠一郎と心を通わせていく様子も共感を集めた。

何よりも、人生の伴侶と娘・ひなたを授かったことで、戦争で傷ついた過去を乗り越え、家族を命懸けで守る強い母親へと成長していく過程に胸が掴まれる。自ら命を断とうとした錠一郎を必死に支えながらも自分なりの幸せの形を模索する、るいの愛情深さが深津からはにじみ出ていた。

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

そして3代目ヒロインとして登場する、るいの娘・ひなた(川栄李奈)の物語は昭和40年代の京都で幕を開ける。子どもの頃から"時代劇"が大好きで侍のような生き方に憧れる一方、地道な努力が苦手で何をするにも三日坊主。将来への夢も目標もなく、挫折を繰り返すが、ひょんなことから時代劇の世界に飛び込んでいく。

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

時代劇を通じて想いを通わせ合う大部屋俳優・五十嵐文四郎(本郷奏多)との苦い恋も経験しつつも仕事に打ち込むと、キャリアの半ばで一念発起し、新たな道を模索するなどバイタリティに溢れるひなた。名前の"ひなた"の通り、明るく元気いっぱいで、思わず応援したくなる等身大なヒロインを川栄がハツラツと演じており、祖母や母とは一味異なる現代的な女性像が魅力的だった。

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」
「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ」

(C)NHK

昭和、平成、令和と、移ろいゆく3つの時代を背景に、幾多の試練にぶち当たりながらも道を切り開き、自分らしく生きていく女性たちの生き様を誠実に描いた「カムカムエヴリバディ」。名を残した人物の一代記ではなく、普遍的な人間ドラマだからこそのリアリティに溢れた本作は、いつまでも心に残る1作と言えそうだ。

文=HOMINIS編集部

放送情報

連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ
放送日時:2024年2月13日(火)0:00~
※毎週(火)~(土)0:00~(3話連続放送)
チャンネル:チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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