卒業メンバーの輝きを焼き付けろ！ アンジュルム、つばきファクトリー、Juice=Juice、BEYOOOOONDS...ハロプログループ卒業ライブを独占生中継

モーニング娘。'24やアンジュルムといった、アップフロントグループに所属する人気女性アイドルグループの総称である「ハロー！プロジェクト」。多彩な楽曲と高いライブパフォーマンスで、男女問わず人気を呼んでいる。6月は、ハロー！プロジェクト内の４つのグループ(アンジュルム、Juice=Juice、つばきファクトリー、BEYOOOOONDS)の卒業公演ライブが控えており、スカパー！で各卒業公演を独占生中継。今回はハロー！プロジェクトを長年にわたり取材をしている音楽ライター・南波一海さんに、卒業ライブを控えている各グループの特徴や卒業するメンバーの魅力を語ってもらった。

■メンバーの個性とエネルギーの爆発力が感じられる「アンジュルム」

ハロー！プロジェクトの中でも、特に女性ファンが多いことで知られている「アンジュルム」。現在公演中の春ツアーをもって、2014年から活動し、女性ファッション誌の専属モデルとしても活躍している佐々木莉佳子がグループを卒業する。テレ朝チャンネル1では、ツアーファイナルとなる6月19日(水)の横浜アリーナ公演を独占生中継。南波さんはアンジュルムのライブの見どころは「爆発力」と話す。

「グループでライブをするときって、調和が大切になってくると思うんです。でも、アンジュルムはそこがいい感じに崩されていて、全体で整えるところはしっかりと見せつつも、個々のエネルギーがパフォーマンスから感じられるんです。何より、メンバー一人一人が自分自身の表現方法や個性を知っていて、その個性をメンバー同士でも尊重しあっているのが強みですね」

南波さんはアンジュルムが女性に支持されている理由の一つが「こびない」ところだと言う。

「こびない＝他者を突き放す、というわけではなく、自分らしくいるということだと思うんです。佐々木さんの魅力ってまさにそこで、ありのままの自分でいていいんだよっていうメッセージをメンバーやファンに伝えてくれるところ。まさにこびないというグループ像を体現している方と言えます」

■ハロプロきっての歌集団「Juice=Juice」は最後のオリジナルメンバーが卒業

ハロー！プロジェクトの数あるグループの中でも歌唱力が高いと評される「Juice=Juice」は、6月14日(金)の日本武道館公演をもってリーダー、そして現役で唯一の初期メンバーでもある植村あかりが卒業する。同公演もテレ朝チャンネル1で独占生中継。南波さんもJuice=Juiceのライブは歌が大きな見どころだと語る。

「Juice=Juiceは結成当初から歌唱力が要求される楽曲が多く、ライブも歌を聴かせるというところに重きを置いているのが特徴です。ライブではCD音源とは違う、アレンジした歌い方で魅せたりするので、そういった面ではハロー！プロジェクトで一番ではないでしょうか」

また、歌のうまいメンバーがグループに多いという環境だからこそ、メンバー同士で影響されあって個々のパフォーマンス力の伸びもすごいという。それを一番体現したのが、今回卒業する植村あかりだと話す。

「植村さんは、デビュー当時こそ同期が実力者ばかりで歌のパートも少なかったけど、今ではパフォーマンスでグループをけん引できる素晴らしい表現者になりました。メンバーを包み込むような優しい性格も魅力的です。彼女の最後のステージは、ぜひ見て欲しいですね」

■新メンバーが加わり、さらにパフォーマンスの幅が広がる「つばきファクトリー」

今年2月に新メンバー3人が加入。今回の春ツアーから新体制での活動をスタートしている「つばきファクトリー」も、6月10日(月)に日本武道館公演が決定。2代目リーダーの新沼希空のラストライブとなる本公演も、テレ朝チャンネル1にて独占生中継。新メンバーを加え、さらなる飛躍を遂げようとしている彼女たちの化学反応に南波さんは期待しているという

「つばきファクトリーは、デビュー当初は楽曲やグループの雰囲気が爽やかなグループでした。そこに八木栞さんや豫風瑠乃さんら4人のメンバーが2021年に加入して、今までとは違うエネルギーを注入した。もともといたメンバーたちもキャリアを重ねていく中で、大人っぽい表現力やエネルギッシュなパフォーマンスで魅せられるようになってきたことも重なり、グループとしての幅が一気に広がりました。ですので、3人の新メンバーが、グループにどんな化学反応を起こしてくれるのか非常に楽しみ。今後を占う意味でも、今回のライブは面白くなると思います」

最後に、イベントで新沼希空との共演経験もあるという南波さんが、彼女の魅力を語ってくれた。

「新沼さんって本当に変わった存在で、リーダーとしての風格もある一方、ユーモラスな発言も多いですし、時折見せる困り顔みたいなところも含めて『ザ・アイドル』なんです。『俺が何とかしてあげなきゃ！』って、ファンの人に思わせる魅力の持ち主ですね」

■ユーモアと実力を兼ね備えた「BEYOOOOONDS」は、現体制での集大成のライブに

楽曲やライブに芝居を取り入れるなど、ユーモアに特化したグループと言える「BEYOOOOONDS」。ハロー！プロジェクトの中でも異色の存在で、南波さんも「唯一無二」と話す。フジテレビTWOでは、6月27日(木)に東京・豊洲PITで行われるライブ「BEYOOOOONDS LIVE TOUR 2024 SPRING〜PERSOOOOONALITY『Wings of Dreams』〜山崎夢羽卒業公演」(※「崎」は正しくは「立さき」)を独占生中継。グループのエースを担ってきた山崎夢羽(※「崎」は正しくは「立さき」)の卒業公演となっている。

「ライブや楽曲に笑いや芝居の要素が盛り込まれていて、ユニークなグループです。ライブではメンバーが自分の役割を演じ切るイメージがあって、見ていてすごく面白い。他にも、クラシック音楽の要素を楽曲に取り入れたり、ライブでファンの方にカスタネットをたたかせたりと、他のグループにはないものがあります。もちろんメンバー個々のポテンシャルも高く、ネタだけでなく、歌を聴かせることもできる二面性も魅力です」

そんな異色なグループでエースを務めていたのが、今回卒業する山崎夢羽(※「崎」は正しくは「立さき」)だと南波さんは話す。

「歌も抜群にうまいですし、演技でもヒロインのポジションを演じられる方。山崎さん(※「崎」は正しくは「立さき」)が軸となってグループが構成されているなと感じます。ですので、一つのグループの完成形として、今のBEYOOOOONDSは見ておくべきだと思いますね」

(プロフィール)なんば・かずみ●1978年生まれの音楽ライター。アイドル専門音楽レーベル・PENGUIN DISC主宰。アイドルをはじめとするアーティストへのインタビューを多く行い、その数は年間100本を超える。タワーレコードのストリーミングメディア「タワレコTV」のアイドル紹介番組「南波一海のアイドル三十六房」でナビゲーターを務めるほか、さまざまなメディアで活躍中

取材・文＝宮澤祐介