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2024/10/07

大スター・松方弘樹が硬軟併せた演技で魅せるリメイク作「素浪人 花山大吉」

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映画「仁義なき戦い」シリーズ(1973~1974年)やドラマ「名奉行 遠山の金さん」シリーズ(1988~1996年)など、任侠ものや時代劇を中心に活躍した名優・松方弘樹。役者として数々の代表作を世に送り出すだけでなく、趣味の釣りを題材にしたドキュメンタリー作品での豪快な姿やバラエティー「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(1985~1996年)での笑い上戸キャラで、お茶の間を楽しませた大スターの1人だ。

ドキュメンタリーやバラエティーでは力強さとたくましさがありつつも優しげで器の大きなおじさんという柔らかなイメージが強いが、任侠作品等では強面で荒々しく近寄りがたい役を熱演して硬い芝居が多い印象を持っている人が多いだろう。そんな松方が、1作品で硬軟併せた魅力的な芝居を見せている作品が、10月21日(月)に時代劇専門チャンネルで放送されるスペシャルドラマ「素浪人 花山大吉」だ。

同作品は、松方の父・近衛十四郎と品川隆二のコンビで一世を風靡した人気ドラマシリーズを、松方と田原俊彦のコンビでリメイクした話題作。松方演じる素浪人・花山大吉と田原演じる焼津の半次が旅の途中で出会い、ある事件に巻き込まれたことを機に行動を共にし事件の真相に迫っていく姿を、スピード感あふれる展開と二転三転するストーリーで描いたエンターテインメント作品だ。

文化年間。甲府金山の廃坑に新たな金脈が発見されたといううわさにより、旅人たちでにぎわう甲州路で、ひょんなことから道連れとなった浪人・大吉(松方)と渡世人・半次(田原)が泊まっていた旅籠に賊が押し入り、泊まり客の伝吉(亀石征一郎)が殺される。翌日、伝吉の娘・お花(高倉彩)を連れて甲府へ向かった2人は、前夜の一味に襲われる。賊を撤退させた後、お花の持っていた竹竿を調べた2人は、竹竿の中に金の延べ棒が隠されていることに驚く、というストーリー。

甲府へ向かう大吉(松方弘樹)は旅籠で、お涼(伊藤かずえ)と出会う
甲府へ向かう大吉(松方弘樹)は旅籠で、お涼(伊藤かずえ)と出会う

この作品の特長といえば、「近衛&品川」版から継承されたコミカルさだろう。3つ勢力が金を巡って繰り広げる抗争に巻き込まれた2人が、出会った人々を助けるために抗争の裏にある秘密に迫っていくという、ストーリーだけでも見応えのあるものになっているのだが、各所に散りばめられたコミカルさがポップで軽やかな現代劇の要素を付与しており、"時代劇らしくない時代劇"という全世代が楽しめるものに仕上がっている。

中でも、主演の松方の、重々しい芝居と軽やかな芝居の使い分けが作品の屋台骨を支えている。事件の真相に迫る瞬間や殺陣のシーンなどはしっかりと重く硬い芝居で要所を引き締めつつ、ネコが大の苦手な大吉の弱味が見えるシーンでは、慌てふためきずっこけるなど、三枚目を見事に表現。この松方が生み出すギャップが作品に抑揚とリズムを与えて、視聴者を引き付ける"彩り"となっている。映画「仁義なき戦い」シリーズ等では見ることができない、役者の時とバラエティーの時が合わさった"ハイブリッドな松方"が見られる貴重な作品といえるだろう。

ドラマ「教師びんびん物語」など「びんびん」シリーズ(1987~2001年)の徳川龍之介という当たり役を経て役者としても脂が乗っている田原の演技もさることながら、松方の硬軟併せた魅力的な芝居は必見だ。

文=原田健

放送情報

素浪人 花山大吉(主演:松方弘樹)
放送日時:10月21日(月)14:00~
放送チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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