実は根っからの人情派？遠藤憲一の激シブな歌声やナレーションも心地いい、好感度抜群の冠番組

叩き上げの警視庁捜査一課長を演じている、現在放送中のドラマ「大追跡～警視庁SSBC強行犯係～」など、"強面"な役柄で圧倒的な存在感を放っている演技派俳優・遠藤憲一。そんな彼が、人情味あふれる素顔を覗かせるテレビ東京の冠番組が「遠藤憲一の今日はお手伝い弁当」(9月6日(土)よりチャンネル銀河にて放送)だ。

お弁当好きの"エンケン"こと遠藤憲一が町のお弁当屋さんを訪ね、調理、接客、配達、呼び込み、さらには子どものお守りまで、様々な"お手伝い"に奮闘。そのお礼として、店から絶品のお弁当をご馳走になる...という構成だ。放送当時62歳の遠藤が訪れたのは、地元で愛される2軒の弁当屋だ。

1軒目は、昔ながらの風情が残る東京・北品川の商店街にあり、1日200食を売り上げることもあるという超人気店。「普段、料理はしない」と語る遠藤は、番組オリジナルの割烹着を着用し、パワフルな女性店主から手取り足取り教わりながら懸命に"お手伝い"する。

戸惑い、慣れない手つきで四苦八苦するが、少しでも役に立ちたいと奮闘する真面目な人柄が滲み出ており、自然と応援したくなる。店先ではお客さんと親しみやすいトーク＆写真撮影で交流を深め、合計金額がパッと計算できず「電卓を使うわ」と開き直る、お茶目な姿も視聴者の心を和ませる。

2軒目は、千葉県・勝浦市の海鮮弁当屋さん。朝から仕込みを手伝い、配達用の大量のお弁当を準備する。1軒目の経験をさっそく生かし、「呼び込みをしよう」と自ら動いたり、「チャーシュー丼ならすぐできます」とアピールをするなど、お客さんとのコミュニケーションもより流暢に。老若男女を問わず、幅広い層の町の人々ともフレンドリーに応対。ドラマや映画で見せる"強面"ぶりは見る影もなく、人好きする気さくな人柄が際立ってくる。

頑張って働いた後は、待ちに待ったご褒美の弁当タイム。店のイチオシや、自らの好みのおかずを頬張ると、遠藤は思わず格別の表情を浮かべる。番組の途中に挟まれる、"実は甘いもの好き"の素顔がこぼれ出す幸せたっぷりのスイーツコーナーも必見だ。

番組オリジナルのオープニング曲も制作され、遠藤自らがそれを熱唱。どこか懐かしく、ほのぼのとした温もりが感じられるナンバーとなっている。また、映画の予告編やCM、TV番組などのナレーターとしても知られるエンケンだけに、この番組でもナレーションを担当。町の風景や人々の暮らし、弁当に込められた思いが、やわらかくゆっくりとした口調が語られるところも大きな魅力だ。

人間としての温かさと、不器用ながらも一生懸命に"お手伝い"に向き合う彼の誠実な人柄が伝わるこの番組。役者として数々の強面キャラを演じてきたエンケンが、割烹着に身を包んで町の人々と触れ合い、目の前の仕事に真摯に向き合うその姿は、とことん人間味にあふれている。

文＝川倉由起子