山口馬木也、時代劇で培った25年の経験が結実 「侍タイムスリッパー」で見せた侍としてのプライド
NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で柴田勝家役を好演し、大きな注目を集めている俳優・山口馬木也。「八重の桜」「麒麟がくる」「鎌倉殿の13人」など数々の大河ドラマに出演し、時代劇で経験を重ねてきた彼のキャリアが広く知られるきっかけとなったのが、初の主演映画「侍タイムスリッパー」(2023年)だ。
単館上映から口コミで異例の拡大公開となり、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞するなど、大きな反響を呼んだ本作。幕末から現代の時代劇撮影所へタイムスリップした会津藩士・高坂新左衛門が、磨き上げた剣の腕を生かして「斬られ役」として生きていく姿を描く。
山口は、本作で日本アカデミー賞優秀主演男優賞をはじめ、複数の映画賞で主演男優賞を受賞。長年、時代劇の現場で培ってきた経験を生かし、侍としての誇りを持ち続ける主人公を演じた。そんな山口の演技を堪能できる「侍タイムスリッパー」が、10月24日(土)に時代劇専門チャンネルで放送される。
■剣の腕と間合いで魅せる、山口馬木也と冨家ノリマサの共演
物語の幕開けを飾るのは、幕末、山口演じる新左衛門と長州藩士・山形彦九郎(庄野﨑謙)との斬り合いだ。往年の時代劇さながらの張り詰めた"間"で緊迫感を担保しつつ、次の瞬間には激しいせめぎ合いへと転じる。山口は、時代劇の出演経験を重ね、所作や殺陣を磨いてきた俳優。剣道と殺陣を得意とする山口の技量が、新左衛門というキャラクターと完璧に重なる瞬間だ。
現代で相手役のスター俳優・風見恭一郎を演じる冨家ノリマサにも注目したい。時代劇をはじめ数々の作品に出演してきた実力派であり、山口に負けず劣らず"腕に覚えあり"の役者だ。2人が向き合う場面では、それぞれの動きや間合いが、本物の侍さながらの見応えある緊張感を作り上げている。
一方、本作の魅力は本格的な殺陣だけではない。幕末の価値観を持った新左衛門が、現代の撮影所という見知らぬ世界で戸惑いながらも、自分の生きる道を見つけていく。その姿には、時代劇への愛情とユーモアが織り込まれている。
そして、山口の演技が印象に残るのが、新左衛門が撮影現場でエキストラとして新選組隊士を演じる場面だ。坂本龍馬役の俳優に銃で撃たれ、斬られ役として倒れる新左衛門。その瞬間、彼の脳裏には、道場で稽古に励んだ日々や、苦楽を共にした仲間、若き日に思いを寄せた女性など、幕末で過ごした時間がよみがえる。
現代の俳優として生きる"今"と、心の奥底へ置き去りにしたままの幕末。その重層的な葛藤や心情を、セリフだけに頼ることなく、身体の動きや表情の変化を通して伝えていく。
さらに、何よりも見逃せないのがクライマックスの殺陣のシーンだ。息をのむような緊張感のなか、長い間合いを経て繰り出される斬撃は、最後まで目が離せない。
1998年のデビュー以来、山口は時代劇をはじめとする数々の作品に出演し、経験を重ねてきた。「剣客商売」シリーズで共演した藤田まことを師と仰ぎ、時代劇の所作や芝居を学んできたことも、現在の演技につながっている。50代にしてついに掴んだ初主演。斬られ役から這い上がる新左衛門の泥臭い姿は、山口馬木也という役者そのものが歩んできた物語でもある。大河ドラマで脚光を浴びる今だからこそ、彼の代表作の一つとなった本作を改めてその目で確かめてほしい。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
侍タイムスリッパー
放送日時:2026年10月24日(土) 19:00~ほか
チャンネル:時代劇専門チャンネル(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:山口馬木也 冨家ノリマサ ほか
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