BLACKPINK「Pink Venom」に世界が注目！各ジャンルのトップアーティストが出演した「MTV Video Music Awards」

年間の最も優れたミュージックビデオやアーティストを表彰する音楽授賞式としてアメリカで権威を築いている「MTV Video Music Awards」。今年は「2022 MTV Video Music Awards Main Show」として日本時間の8月29日に開催された。

1984年に初開催されて以来、毎年世界のトップアーティストが出演し、数々の伝説を作り出してきたこの一大イベント。今年、K-POPのガールズグループとして初めてパフォーマンスを披露したのがBLACKPINKだ。9月16日に発売された2ndフルアルバム『BORN PINK』から約1ヶ月先立って発表されたリードトラック「Pink Venom」で、BLACKPINKは約1年8ヶ月ぶりとなるカムバックを果たしていた。

"ピンクの毒"を意味する「Pink Venom」は、彼女たちらしいヒップホップテイストのクールなトラックの中に、韓国の伝統楽器であるコムンゴ(琴)の音色が落とし込まれた旋律が特徴的。直前の盛り上がりからグッとトーンが落ちる緩急のあるサビなど、いい塩梅で力の抜けたサウンドがクセになる、タイトル通りの中毒性の高い楽曲だ。

公開から29時間で1億回再生を突破し、K-POPガールズグループの新記録を打ち立てたMVは、ピンクのライトが怪しげな輝きを放つ漆黒の空間でJISOOがコムンゴを弾いていたかと思えば、ド派手な車が壁を突き破って登場したJENNIEがアグレッシブなラップを披露するなど、美しくも毒のある世界観。衣装もそれぞれがアンバサダーを務めるハイブランドのハードウェアなど、ゴージャスさとストリートライクが融合したBLACKPINKのスタイルを感じさせる。

「2022 MTV Video Music Awards Main Show」では、黒をベースにワンポイントでピンクを取り入れた衣装に身を包み、バックダンサーを引き連れてピンクのスモークの中から登場すると、パンチの効いたダンスと歌はもちろん、時折笑顔を浮かべるなど余裕を感じさせるパフォーマンスでクールな魅力を振りまいた。

グループとして受賞した最優秀メタバース・パフォーマンス賞に加え、LISAはソロデビュー曲「LALISA」で最優秀K-POP・ビデオ賞を受賞するなど大いに存在感を発揮。10月からは北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニアの計4大陸を巡るワールドツアーも開催するBLACKPINKだが、韓国本国だけに止まらない海外での人気の高さを、この日のステージで改めて証明してみせた。

その他のアーティストでは、テイラー・スウィフトが最優秀ビデオ賞を含む3冠を達成。全身ビジューに覆われたミラーボールのような衣装を纏った彼女は「私たちは、ファンの皆さんがこの曲に注いでくれた愛にふさわしいものを作ろうと、全身全霊を込めてこの曲を作りました。この受賞は、私たちが正しいことをした証明となるもので、この美しい賞をいただけたことに感謝をしています。みんな愛しているよ！」と喜びを表現した。

また、4冠を達成したジャック・ハーロウはオープニングを飾り、ヒット曲「First Class」のステージでアヴリル・ラヴィーンと戯れる一幕も。サプライズゲストとしてファーギーが登場し、「First Class」のサンプリング元である彼女の「Glamorous」を披露するなど、豪華な演出でイベントを勢いづけた。さらに、ビデオ・ヴァンガード賞を受賞したニッキー・ミナージュは、インパクト大なピンクとパープルの衣装と巨大なリボンで登場し「Moment 4 Life」と「Super Bass」を含む代表曲を12曲も披露した。

そしてグローバル・アイコン・アワードと最優秀ロック・ビデオ賞を受賞したレッド・ホット・チリ・ペッパーズは、新曲「Black Summer」とライブの定番曲「Can't Stop」を披露。派手な演出をせずにその比類なき音楽性を前面に打ち出したパフォーマンスでオーディエンスを熱狂させたかと思えば、授賞式ではドラマーのチャド・スミスが今年亡くなったフー・ファイターズのドラマー、テイラー・ホーキンスへこの賞を捧げる感動的な言葉を並べた。

ヒップホップからロック、K-POPまで幅広いジャンルのトップアーティストたちが一堂に会するのは「MTV Video Music Awards」ならでは。世界が注目したイベントは、圧巻のパフォーマンスの連続で今年も豪華絢爛な雰囲気が漂っていた。

文＝HOMINIS編集部