橋本愛の演技の振り幅に大注目！イメージとは違う家庭教師が話題となったドラマ「家庭教師のトラコ」

人生で最も大切なことは何だろう。勉強、お金、それとも...。そんなことを考えさせられるヒューマンドラマ「家庭教師のトラコ」が、2月11日(土)より日テレプラスで放送される。本作は合格率100％を誇る伝説の家庭教師が、子供の志望校合格を切望する3人の母親とその子供たちを相手に、過激ともいえる方法で授業を行い、家庭の問題に切り込んでいくドラマだ。

娘を有名私立小学校に入れようと躍起になっている母親の中村真希(美村里江)は、藁にもすがる思いで伝説の家庭教師といわれる根津寅子(橋本愛)と契約することに。同じ頃、高校生の息子を東大に合格させたい上原里美(鈴木保奈美)と、息子の中学入試を控えた下山智代(板谷由夏)も、トラコと契約を交わしていた。中村家での授業初日、コスプレが趣味だというトラコはメリーポピンズを思わせる出で立ちで現れる。彼女は「教育方針には口を出さない」「授業中は部屋を覗かない」「授業の日は生徒の家に泊めてもらう」という条件を母親たちに課し、生徒たちにお金の使い方を考えさせるという独特の授業を開始する。

謎多き家庭教師・トラコを演じるのは、今作で地上波民放連続ドラマ初主演となった橋本愛。注目すべきは、"1人4役"ともいえる鮮やかな豹変ぶりだ。「生徒に合わせて自身のキャラを変える」という方針を取るトラコは、上品な貴婦人から昭和の熱血教師、果ては大人の色気を醸し出す魔性の教師まで、3人の子供に合わせて次々とキャラという"仮面"を付け替える。そんな彼女が生徒に対して厳しい口調で本音をぶつけるとき、初めて鋭い眼光を持つ真の姿があらわになるのだ。3つのキャラと素のトラコという4つの姿を自由自在に行き来する橋本の演技に、視聴者からは「振り幅がすごい」という称賛の声が相次いだ。

ドラマの最大の見どころとなるのは、トラコによる度肝を抜くような"授業"の数々だ。相手が小学校受験を控える幼い子供であれ、彼女は生徒に対し甘くない現実を見せつけ、本当に大切なことを教えるために激高し、容赦ない言葉を浴びせる。しかしそれによって、生徒たちは着実に変わり成長していく。「トラコが実は『家庭の教師』であり、家庭そのものにアプローチしていく姿がすごく面白い」と橋本が語るように、トラコによる本気の授業は生徒だけでなく三者三様の問題を持つ母親たちにまで及び、彼らの家庭を良い方向に変えていくのだ。

トラコがなぜ常識では考えられないような授業を行うのか、真の目的が何なのかは、物語の後半で明らかになっていく。そこで視聴者はトラコの中にある深い闇と、彼女を野望へと突き動かす怒りのエネルギーの源泉を目の当たりにするだろう。そんな深淵を抱えながらも成長していくトラコを橋本がどのように表現したのか、ぜひその目で確かめてほしい。

文＝本永真里奈