加藤大悟、ファンと共に"育てる"ステージへの思い「反骨精神はずっと自分の中にある」
舞台やミュージカル、バラエティ番組など幅広い分野で活躍する加藤大悟。アーティストとしても活動を続け、今年9月には愛知と東京で「加藤大悟 2026 LIVE『higher』」を開催した。
エムオン!では、9月22日に東京・大手町三井ホールで行われた公演の模様を全曲独占放送。さらに、ここでしか見られない貴重映像を加えた特別版として届ける。
東京公演を前に、地元・愛知での公演を終えたばかりの加藤にインタビュー。ファンと共に作り上げるライブへの思いや、表題曲「higher」に込めた"反骨精神"、アーティストとして大切にしていることについて聞いた。さらに、舞台やミュージカルで培った表現力が音楽活動に与えている影響、今後挑戦してみたいことにも迫った。
――まずは、東京公演に先駆けて行われた愛知公演を終えての感想を聞かせてください
「自分の誕生月にソロライブができること自体、本当に幸せなことだなと思いました。もともと僕はボーイズグループで活動していて、名古屋を拠点にしていましたし、僕自身も愛知県出身なので、愛知にはすごく思い入れがあるんです。そこで最初に、バースデーライブのような形で公演ができたことが、まず嬉しかったです」
――やはり、地元・愛知からスタートすることには特別な思いもあるんですね
「そうですね。愛知が最初だからこそ、地元で盛り上がりに欠けるようなことは絶対にしたくなかったんです。スタートからちゃんとぶち上げたいという気持ちはありました。今回のライブは、バンドを背負って、一体感を作りながら、シンプルにかっこよく、男らしい音を届けるというコンセプトで作っています。もちろんいつも気合いは入れていますけど、今回のライブに合った気合いの入り方や盛り上げ方、エンターテインメントの作り方を意識しました。最初の公演で得られる感触って、やっぱりすごく大事じゃないですか。その感触が100点満点を超えてきたので、それはすごく嬉しかったですね。かなりいいスタートダッシュを切れたと思います」
――今回のライブには、どのようなテーマを込めているのでしょうか?
「僕のライブには毎回、実は"裏テーマ"があるんです。でも、その裏テーマは絶対にお客さんには教えないようにしています。僕にとってライブは、ただ楽しんでもらうだけのものではなくて、みんなで作るものだと思っているんです。僕がいて、バンドメンバーがいて、スタッフの皆さんがいて、そしてお客さんがいる。誰一人欠けても成立しないものなので。例えば曲を聴いて、『楽しい曲だな』と感じるだけではなくて、『なぜこの曲がこのセットリストに入っているんだろう』『最初から最後まで通して見たときに、どんなテーマがあるんだろう』と探ってもらえたら、もっと満足感も増えるんじゃないかなと思っています」
――その答えも、あえて明かさないと
「そうですね。僕が掲げている裏テーマだけが正解ではないと思っているので。人それぞれ考え方は違いますし、正解は別にないんです。みんなで"答えのない正解"を探して、そこにぶつかっていくこと自体が、僕のライブにおける創作なのかなと思っています。それぞれが感じたことを持ち帰ってもらえたら嬉しいですし、そういう余白も含めてエンターテインメントとして面白いなと思っています」


――表題曲「higher」では、TikTokで掛け声のレクチャー動画も公開していました。愛知公演で実際に届けてみて、お客さんの反応はいかがでしたか?
「思っていた以上に皆さんが声を出してくれて、びっくりしました。一部の映像も見返したんですけど、『おお、すごいじゃん!』って(笑)。それぐらい僕を驚かせてくれたので、僕もファンの皆さんに負けていられないなと思いました。そうやってお互いにぶつかり合えるのが、ライブをやっていて楽しいところですね」
――愛知公演を経験したファンの方が、東京公演では会場を引っ張ってくれることもありそうですね
「そうなってくれたら嬉しいです。愛知公演を見てくださった方が東京にも来て、声を出したり、立ち上がったり、『ここは盛り上がるところなんだ』という空気を作ってくれたら、初めて来た方も『こうすればいいんだ』とわかると思うんです。そういう一つひとつがつながって、積み上がっていくことが、僕はいわゆるライブを"育てる"ということだと思っています。僕自身もやるし、お客さんも一緒にやる。みんなで一体感を持って、『一人じゃないよ』ということを感じてもらえたら嬉しいですね」
――「higher」という楽曲自体には、どのような思いを込めていますか?
「とにかく、聴いていてテンションがぶち上がる曲です。この曲を聴いて、『ちょっとでも頑張ろう』『もっと上に行こう』と思ってもらえたらいいなと思っています。僕自身、結構"反骨精神"を持ってここにいるんです。反骨精神って、ときには悪く見られることもあると思うんですけど、それを自分の信念として持っていることで、『負けられない』という強い気持ちを持って生きていける。ネガティブになったり落ち込んだりしても、その炎が少しでも残っていたから頑張れたことが、何度も僕にはありました。誰にだってつらいときや疲れているとき、しんどいときはあると思います。そんな人の一歩、半歩でも後押しできたら。もっと高いところへ上がっていこうという思いを込めた曲です」
――レコーディングでは、ボーカル面でもかなり試行錯誤されたそうですね
「そうですね。僕の声質って、柔らかくて甘めなんです。僕自身はあまり好きじゃないんですけど(笑)、ファンの皆さんが『その声がいい』と言ってくださるから成り立っているところがあって。ただ、『higher』が求めるスピード感や力強さとは、最初はなかなか噛み合わなかったんです。『この声の出し方はどうだろう』と制作陣の皆さんと何度も話しながら試していたら、終わったのが朝4時半でした(笑)」
――TikTokの動画では、途中で「2時半」と話していましたが、そこからさらに続いていたんですね
「そうなんです。2時半でもう終わると思っていたんですよ(笑)。結局、1曲に6時間以上かかりました。久しぶりに一曲にここまで時間をかけましたね。しかも、ライブの表題曲を公演前に配信すること自体、僕にとっては初めてに近かったんです。だから『ミスれないな』という気持ちもありましたし、いろいろな思いが詰まった曲になりました」
――先ほど"反骨精神"という言葉がありましたが、その気持ちは芸能界に入ってから生まれたものなのでしょうか?
「全然。小学生の頃から変わらないです(笑)。ただ、反骨精神だけがあっても、自分が何もできていなかったら、ただ尖っているだけになってしまうと思うんです。僕自身、自分に甘えてしまうところもあるので、この気持ちは自分への戒めでもあります。18、19歳の頃から掲げているモットーがあって、"何事も一生懸命頑張る""初心を忘れない""ありがとうを欠かさない"。そこに反骨精神もずっと自分の中にあるものですね」

――昨年のライブから公演を重ねていますが、アーティストとしてご自身の成長を感じる部分はありますか?
「自分自身より、ファンの皆さんの変化を感じることのほうが多いかもしれないです。皆さんが僕のことを見守ってくれているのはもちろん、『ライブを盛り上げよう』としてくれている気持ちもすごく感じます。初めて僕を見る方にとっては、そのライブが『加藤大悟ってこういう人なんだ』と知る瞬間でもあるので、僕はそれに応えるので精いっぱいです。僕自身が成長することは、ある意味当然だと思っているんです。いろいろなものが値上がりしている中で、それでもチケットを買って会場まで足を運んでくださる方に、ちゃんと返したいと思っています」
――アーティストとして活動するうえで、特に大切にしていることは何でしょうか?
「感謝の言葉ですね。本当に"ありがとう"です。"ありがとう"って、何回言われても嬉しくないですか?"ごめんね"は何度も言われるともういいよってなることもあるかもしれないけど(笑)、"ありがとう"はそうならないと思うんです。本当に些細なことでも、"ありがとうございます""ありがとう"と言うだけで、人間関係もうまくいくし、いろいろな縁も広がっていく。自分の人柄を形成するうえでも、"ありがとう"という言葉はすごく大切にしています。アーティストとしても、役者としても、一人の人間としても、そこはちゃんとしていたいですね」
――ステージ上の加藤さんを見ていると、とてもポジティブな方という印象があります
「でも、自分自身はめちゃくちゃネガティブですよ(笑)。しこたま落ち込みます。落ち込んだら家から一歩も出ないくらい引きこもって、ずっとバラードを聴いています。よく聴くのは中島美嘉さんの『雪の華』です。春夏秋冬関係なく(笑)。僕は、一度どん底まで落ちて、そこから上がっていくタイプなんです。本当に人生、ジェットコースターみたいな感じです」
――普段の姿からはなかなか想像できません
「そう言ってもらえるならよかったです。『想像できます』って言われたら、僕の中ではエンターテイナーとして失敗なので(笑)。あくまで僕の理論ですけどね。落ちたときは、マネージャーさんにもいろいろ聞いてもらっています。僕はマネージャーさんやプロデューサーさんのことを、仕事上の関係というより"仲間"だと思っているので。そういう周りの人たちには支えてもらっていますね」


――そうしたポジティブな感情もネガティブな感情も、音楽表現に生かされている部分はありそうですね
「そうかもしれないですね。自分の中から湧き上がってくるものが、喜怒哀楽につながっていると思います。それに、役者をやっていることも大きいです。いろいろな役を経験させていただく中で、『こういう感情もあるんだ』と初めて知ることもありました。そういう経験は、歌にもかなり影響していると思います」
――舞台やミュージカルでの経験が、ボーカル表現の幅にもつながっていると
「ミュージカルで歌うときと、自分のライブで歌うときでも全然違いますし。『台詞を歌にする』とよく言いますけど、それと自分の音楽活動で歌うこともまた違う。芸能界に入って7、8年になりますけど、本当にいろいろな経験をさせていただいているなと思います。そういう経験が今の表現につながっているのは、ありがたいことですね」
――今回のセットリストやライブ全体の構成についても、ご自身で考えられたのでしょうか?
「基本的には演出と僕の二人で考えました。あまり話しすぎてしまうと、最初に言った"裏テーマ"にも関わってきてしまうので難しいんですけど(笑)、バラードのパートがあったり、盛り上げるパートがあったりします。今回初めてメドレーも取り入れて。それはすごくいい試みだったなと改めて感じましたね。このライブを初めて見る方も一緒に参加してくださって、それも嬉しかったです。今後は曲の振り付けなどもTikTokでもっと発信していけたらいいなと思いましたし、愛知公演をやってみて感じた反省点でもあります」
――初めてライブを見る人にとっては、「どう盛り上がればいいんだろう」と迷うこともありそうです
「そのときは僕に任せてください、という感じです(笑)。僕がぶち上がっていたら、ファンの皆さんは乗ってくれるでしょうし、静かに聴いてほしい場面だったら静かにしてくれる。そういう駆け引きがライブの面白さだと思います。ステージと客席とのコミュニケーションでもありますからね」

――「higher」を経て、今後の音楽活動で新たに挑戦してみたいことはありますか?
「ライブでギターを弾いてみたいですね。今回のバンドメンバーに、同じ"ダイゴ"という名前のギタリストがいるんですけど、『ギターをやるなら教えるよ』と言ってくれてるので、その言葉に甘えようかなと(笑)。弾き語りもできたらいいし、ライブの中でギターを使えるようになったら、また表現の幅も広がると思うんです。時間が許す限り、挑戦してみたいですね」
――ギターはこれまでにも経験が?
「半年くらい触っていたことはあるんですけど、よく言われるFコードで一度挫折しました(笑)。またFでつまずくんじゃないかという怖さはありますけど、頑張りたいですね」
取材・文=川崎龍也 撮影=MISUMI
放送情報【スカパー!】
全曲独占放送! M-ON! LIVE 加藤大悟 「加藤大悟 2026 LIVE『higher』」
放送日時:2026年10月27日(火) 22:00〜
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
※放送スケジュールは変更となる場合があります
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