『ボヘミアン・ラプソディ』など、クイーンやその楽曲が印象的な映画を紹介!

伝説的ロックバンド、クイーン!
その軌跡と感動が体感できる映画たち

2023/10/23 公開

2024年2月に4年ぶりの来日公演の開催が発表された英国のロックバンド、クイーン。カリスマ的なフロントマン、フレディ・マーキュリーの死を乗り越え、半世紀以上にわたり活動を続けてきたブライアン・メイらメンバーたちだが、近年の彼らの人気を再燃させたのが映画『ボヘミアン・ラプソディ』であることに疑問の余地はない。2018年に公開された同作は世界中で大ヒットを飛ばし、日本でも空前のブームを巻き起こした。クイーンが音楽に全面協力したことでも知られている作品だが、ほかにも彼らが音楽制作に携わった作品は存在する。11月24日にフレディの命日を迎える今月、本稿では、それらを紹介していこう。

クイーンの伝説を追体験できる『ボヘミアン・ラプソディ』

まずは『ボヘミアン・ラプソディ』について、改めて詳しく触れてみたい。フレディの伝記ドラマでもある本作はクイーンの結成から成功の光と影、世界的なチャリティ・コンサート、ライブエイドでの劇的な復活までが描かれている。バイセクシャルでもあったフレディの苦悩や、彼とメンバーとの不和などのエピソードも赤裸々に描かれ、ドラマとしての見応えは十分。義歯を着けてフレディになりきったラミ・マレックは、見事にアカデミー賞主演男優賞を受賞。ほかにも作品賞をはじめ、5部門にノミネートされた。

フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが第91回アカデミー賞主演男優賞に輝いた(『ボヘミアン・ラプソディ』)

劇中曲がドラマを盛り立てているのは、言うまでもない。ライブシーンも含め、劇中のナンバーはすべてクイーンによるもので、俳優たちはそれに合わせて演技をした。タイトル曲はクイーンの代表曲として知られているが、映画ではこの名曲がどのようにして出来上がっていったのかを詳細に描いている。当時のロックの概念にはなかった、オペラとの融合。6分近い曲ゆえにレコード会社からはラジオのエアプレイには向かないと言われるも、そんな予測を裏切りって「ボヘミアン・ラプソディ」は大ヒットを飛ばし、バンドの代表曲となった。

ほかにも、「輝ける7つの海」や「ウィ・ウィル・ロック・ユー」、「地獄へ道づれ」などのレコーディング時の風景が再現されている。劇伴としての使用も効果的で、「キラークイーン」はクイーンのテレビ出演をはじめ、成功への階段を上り始めるシークエンスを盛り上げる。フレディが恋人のポール(アレン・リーチ)と決別するシーンでは、デヴィッド・ボウイとのコラボ曲「アンダー・プレッシャー」がヘビーなビートを刻み、エイズに冒されたフレディがそれに向き合う場面では「リヴ・フォーエヴァー」が象徴的にフィーチャーされる。

クイーンの大ヒット曲の数々がフレディたちの物語をエモーショナルに彩っていく(『ボヘミアン・ラプソディ』)

最大の見せ場は、1985年のライブエイドでのステージの模様を再現したクライマックスだ。このパフォーマンスはライブエイドに出演したバンドのなかでベストと評されるばかりか、クイーンがこなしてきた多くのステージのなかでもベストと言われている伝説的なもの。ウェンブリー・スタジアムに集まった7万8千人のオーディエンスの前に姿を現した彼らは、フレディの弾くピアノに導かれて「ボヘミアン・ラブソディ」で演奏をスタート。「レディオ・ガ・ガ」、「ハマー・トゥ・フォール」と当時は最新だったヒット曲を演奏し、「伝説のチャンビオン」で幕を閉じる。この時のステージでは「愛という名の欲望」、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」もプレイされたが、映画では描かれない。それでもオーディエンスと一体となり、すさまじいエネルギーを放ったパフォーマンスの魅力を存分に体感できるだろう。

クイーンが楽曲を手掛けたカルト的人気を誇るSF作品たち

クイーンが音楽に携わった映画に目を向けてみよう。まずはサントラそのものを手掛けた1980年の『フラッシュ・ゴードン』。1936年の同名SF映画のリメイクで、ジョージ・ルーカスも一度はその映画化を試みるも権利関係により断念し、代わりに『スター・ウォーズ』(1977年)を作ったのは有名な話だ。

アメフトのスター選手が悪の皇帝に立ち向かう!(『フラッシュ・ゴードン 【4Kレストア版】』)

地球を救う冒険に出た人気アメフト選手の活躍のドラマは、今観直しても大げさな描写はやり過ぎの感もあるが、それゆえにカルト的な人気を誇り、近年は『テッド』(2012年)でオマージュを捧げられ、脚光を浴びることになった。クイーンの音楽も、このトゥーマッチ感を盛り上げていると言えなくもない。とりわけ有名なのは主題歌「フラッシュのテーマ」。機械的なビートに乗り、そこからクイーンらしいエモいメロディが展開し、間奏には劇中のセリフも挿入されるドラマチックなナンバーだ。

主題歌「フラッシュのテーマ」が映画を盛り上げる!(『フラッシュ・ゴードン 【4Kレストア版】』)

もう一本、紹介したいのが1986年の伝奇ファンタジー『ハイランダー/悪魔の戦士』。不死を宿命づけられた男が時を超えて因縁の戦いに挑む…という物語で、主演のクリストファー・ランバートはここで演じたダークヒーローが当たり役となり、シリーズ化もされた。クイーンはこの映画に主題歌「カインド・オブ・マジック」を提供。クイーンらしい流麗なコーラスワークやドラマチックなメロディは健在だが、映画の内容に沿ってか、幻想的なアレンジが施されている点が面白い。ちなみに、この曲はのちにミックスし直され、アルバム「カインド・オブ・マジック」に収録された。

主題歌としてクイーンが「カインド・オブ・マジック」を提供した『ハイランダー/悪魔の戦士』

クイーンの楽曲はほかにも多くの映画に使用されており、それらの映像との一体化は、時として鳥肌が立つほどの興奮を引き起こす。まずは『ボヘミアン・ラプソディ』を観て、この「マジック」を体感してみてほしい。

文=相馬学

相馬学●1966年生まれ。アクションとスリラーが大好物のフリーライター。「DVD&動画配信でーた」、「SCREEN」、「Audition」、「SPA!」等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

<放送情報>
ボヘミアン・ラプソディ
放送日時:2023年11月1日(水)21:00~

ハイランダー/悪魔の戦士 [PG-12]
放送日時:2023年11月1日(水)23:30~、27日(月)23:15~

フラッシュ・ゴードン 【4Kレストア版】
放送日時:2023年11月2日(木)1:45~

(吹)フラッシュ・ゴードン 【水曜ロードショー版】【4Kレストア版】
放送日時:2023年11月30日(木)12:30~
チャンネル:ザ・シネマ

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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